見た者を1週間後に呪い殺す「呪いのビデオ」の謎に迫る映画「リング」。
鈴木光司原作、中田秀夫監督のホラー映画です。
1998年1月31日に公開されて配給収入10億円を記録し、ジャパニーズホラーブームの火付け役となりました。
翌年1999年1月に「リング2」、2000年1月には「リング0バースデイ」と続編が公開され、2002年にはアメリカハリウッドでリメイクされた「ザ・リング」が公開されます。
ハリウッド版も高評価・高収入を記録し、2005年3月には「ザ・リング2」、2016年10月には「ザ・リング/リバース」が公開されました。
2012年5月に鈴木光司原作の「S」を「貞子3D」として劇場公開します。
その後は2013年8月「貞子3D2」、2019年5月「貞子」、2022年7月「貞子DX」を公開しました。
ジャパニーズホラー最恐の化け物である貞子ですが、実はモデルとなった人物がいる様です。
また貞子は何故殺されたのでしょうか?
本当の父とはどのような事なのでしょうか?
映画「リング」の謎に迫ります。
貞子のモデルになった人物は?
ジャパニーズホラー最恐の化け物といえる貞子ですが、実はモデルになった人物がいる様です。
本当なのでしょうか?
その人物は呪いを使うことが出来るのでしょうか?
貞子のモデルを調査します。
千里眼事件
御船千鶴子の写真 出展元:Wikipedia
明治42年、心理学者の福来友吉の元に、熊本県在住の御船千鶴子(みふねちづこ)という女性が千里眼(透視)を行うという情報が舞い込みました。
千鶴子は催眠術を扱う義兄によって、千里眼の能力を発揮したようです。
福来友吉は千鶴子の能力を実験するため熊本へ来ました。
カードを用いた投資実験を行い、高い的中率で成功します。
高い的中率で中身を当てたことで、福来友吉は千鶴子の能力を信じるようになりました。
その後、福来友吉は学会で千鶴子の実験を報告、そして東京での公開実験を行うことになります。
東京の公開実験でも高確率で的中させた千鶴子は、一躍脚光を浴びました。
そうして千鶴子の実験をきっかけに超能力ブームが起こり、日本各地で能力者が名乗りを挙げるようになります。
もともと予知能力で周りを驚かせていた郁子ですが、千鶴子の実験を新聞で知り千里眼を試してみたところ能力を開眼したようでした。
しかし、しばらくすると千里眼の実験がインチキだと疑惑を向けられるようになります。
「実験中に対象のすり替えが行われたのではないか」また、千鶴子は終始、背を向けた状態で実験を行ったので、学者の間で騒がれるようになってしまいました。
福来友吉はその疑惑を払拭する事が出来なかった様です。
その騒ぎの中で、千鶴子は謎の服毒自殺を図ってしいました。
数々の千里眼を行い、学者を含めた実験に参加したことで超能力ブームを起こした御船千鶴子は、たった24歳で命を絶ってします。
その翌年、郁子もインフルエンザによって命を落としてしまいました。
インチキ騒ぎや相次いで能力者が亡くなってしまったことで、千里眼実験は続けることが困難になり、福来友吉は学会を追われてしまいす。
福来友吉が研究していた能力者には高橋貞子という女性がいましたが、彼女もまた研究を続けられなくなったことで故郷に戻っていきました。
この一連の騒動を「千里眼事件」と呼び、映画「リング」内でも同じような実験が描かれています。
映画「リング」で呪いの連鎖を起こそうとした山村貞子。
その両親である伊熊平八郎と山村志津子は映画内で超能力実験を行っていることから、モデルは福来友吉と御船千鶴子ではないでしょうか?
貞子の名前は、高橋貞子から「リング」原作者の鈴木光司氏が着想を得たと言われています。
高橋貞子とは?
髙橋貞子の写真 出展元:Wikipedia
明治19年生まれ、岡山県出身の方です。
貞子の夫・高橋宮二は独自の精神修行で呼吸法を研究していました。
貞子は宮二をまね、これを実践しているうちに精神統一方法を学んでいき、そのうち貞子に霊能力を感じる様になりました。
福来友吉の著書「透視と念写」によりますと、貞子は高橋宮二に自分の手にした火箸がひとりでに火鉢の中で「清」の字を記した事を告げます。
高橋宮二は貞子に透視実験を提案しました。
字を書いた紙や物を箱に入れて透視するという方法を20回行い、貞子はことごとく成功させたと著書「透視と念写」に書かれています。
しかし、御船千鶴子と長尾郁子の実験でインチキを払拭できなかった福来友吉は学会を追われてしまいました。
他の学者の下で貞子は再実験を試みますが立ち会う者はいなかったようです。
貞子は公の場で能力を披露することなく実験を終える事になりました。
昭和8年に岡山県にいた事が記録にあるようですが、その後は未確認になっています。
映画「リング」の謎
本当の父親?なぜ殺された?
この事については映画「リング0バースデイ」に謎が隠されている様です。
映画「リング」の呪いのビデオからさかのぼること30年前の昭和43年(1968年)に山村貞子が東京で劇団「飛翔」に入団しました。
しばらくして、劇団員全員が奇妙な井戸の夢に悩まされます。
そして主演女優が死亡してしまいました。
一方で12年前の山村志津子の公開実験にて、婚約者を亡くした新聞記者の宮地彰子は「もう一人の貞子」の存在に気づきます。
貞子が二人とは?殺された理由は?本当の父親は?
「リング」の謎に迫ります。
貞子はなぜ殺された?
主演女優の葉月愛子が謎の死をとげると、貞子に疑いの目が向けられます。
音効係の遠山博は貞子を気遣いました。
衣装係の立原悦子は、貞子と遠山博の接近を懸念します。
劇団「飛翔」は演出家の重森勇作の指導の元、山村貞子を新たな主演女優に据え「仮面」の上演します。
しかし、宮地彰子より貞子が公開実験で人を呪殺した過去が大勢の観客の眼前で暴かれてしまいました。
貞子を守るため、遠山博が殺害した重森の死体も見つかり劇団員はパニックになってしまいます。
そして、その力に恐怖した劇団員たちは貞子を殺害してしまいました。
宮地彰子と劇団員たちは、貞子の父親とされる伊熊平八郎の元へと向かいます。
かつて貞子から分離された「もう一人の貞子」の殺害を試みました。
しかし殺したはずの貞子は蘇生しており、劇団員たちは2人の貞子によって返り討ちにされ、次々と呪殺されてしまいます。
貞子と好意を寄せ合った遠山博も、制御のできない貞子の超能力により犠牲となりました。
貞子に追い詰められた宮地彰子と立原悦子は拳銃で自殺します。
伊熊平八郎は暴走する貞子を止めるため、嘆き悲しむ貞子を井戸へと突き落とし、井戸に蓋をしました。
遠山博と心を通わせた頃の幸せな夢から目覚め、我に返った貞子は自分が井戸の底で、今まさに自分が生きたまま暗闇の中に閉じ込められようとしていることに気がつきます。
貞子の怨嗟の絶叫しました。
父親・伊熊平八郎
貞子の父親については伊熊平八郎でが映画と原作では相違がありました。
映画では伊熊平八郎は貞子を井戸に落として殺害します。
原作では大学精神科の助教授で千里眼を持つ山村志津子の超能力の研究をしてました。
伊熊平八郎は妻子のある身ですが山村志津子と不倫関係にあります。
二人の間に貞子が生まれました。
伊熊平八郎と山村志津子は超能力実験の失敗によりマスコミから迫害されました。
山村志津子は精神を病んでしまい、大島三原山の火口に身投げします。
伊熊平八郎は晩年結核を患い、南箱根療養所に入院し貞子の世話を受けました。
長尾城太郎は伊能平八郎の担当医で、貞子を強姦し井戸に落として殺害します。
やがて井戸の上に貸別荘が建てられ呪いのビデオが念写されました。
映画「リング0バースデイ」で伊熊平八郎が「貞子の本当の父親は海から現れた異形の怪物」と発言していました。
このことにおり、貞子の父親は海からやって来た魔物ではとも考察された様です。
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まとめ
貞子にはモデルになったと思われる人物がいました。
明治時代末「千里眼事件」と呼ばれる事件があり、この事は映画「リング」内でも同じような実験が描かれています。
心理学者・福来友吉研究の能力者の中に髙橋貞子という女性がいました。
この女性が映画「リング」・貞子のモデルではないかと言われています。
貞子の本当の父親は伊熊平八郎ですが、殺された理由は映画と原作とでは違いました。
映画では暴走する貞子を止めるため、嘆き悲しむ貞子を井戸へと突き落とし、井戸に蓋をされてしまいます。
原作は結核を患い南箱根療養所に入院し貞子の世話を受けていました。
その時の伊熊平八郎の担任医・長尾城太郎に井戸に落とされます。
やがて井戸の上に貸別荘が建てられ呪いのビデオが念写され呪いの連鎖が始まりました。