デビルマンは1972年から1973年の同時期に漫画・アニメ同時に放送・連載されました。
アニメ版は変身ヒーロー的な子供向け作品でしたが、漫画版は「ホラー」で黙示録的な内容で大人向けな内容だと思います。
海外でも人気が高く英語圏を始め、イタリア・フランス・韓国など、多数の国で翻訳版が出版されました。
2017年時点で漫画の全世界累計発行部数は5000万部を突破してます。
もはや日本を代表する作品の一つではないでしょうか。
これだけ人気の作品ですので、2004年に実写版が映画公開されました。
ですが、制作費10億円に対して興行収入は5.2億円と大失敗に終わってしまいす。
世界的に人気のデビルマンですが、この映画は何故失敗してしまったのでしょうか?
「デビルマン」実写を検証していきます。
Contents
「デビルマン」実写はどんな映画?
デビルマンのアニメと漫画では違うストーリーです。
アニメ版は「悪魔をヒーローとした作品」でした。
漫画版の方はテーマはホラー。
古典的なホラーからモダンホラーまで、様々な要素が見られます。
連載していくうちに、黙示録的な大河要素のあるストーリーになっていったようです。
「デビルマン」実写はどの様なストーリーなのでしょうか?
「デビルマン」実写トラウマ的映画
両親を事故で亡くし、クラスメイトの牧村美樹の家で居候している主人公の不動明。
親友の飛鳥了に自分の父が研究中に死んでしまった事を告げられ、研究所に一緒に来てほしいと頼まれ、研究所へ向かう。
了の父親はデーモン(悪魔)の研究をしてて、デーモンを復活させてしまい所員もろともデーモンに体を取り込まれてしまった。
飛鳥了もすでにデーモンになっていたのです。
明にもデーモンが襲ってきて取り込まれてしまいますが、人間の心を残すことによりデビルマン(悪魔人間)なってしまいました。
デーモンは少しずつ人類に襲い掛かってきます。
デーモンは人間を取り込み、人類になり過ごしながら襲ってきたのです。
デーモン族のシレーヌ・ジンメンが人間を襲ってきますが、明はデビルマンに変身して戦いました。
デーモン族は人類に総攻撃を始めました。
政府はデーモン討伐部隊を編成し、デーモンと疑わしき人間を次々と捕え始めます。
実際は人間が疑わしき人間を狩るという、人間狩りになっていました。
デーモンが散りついた人間の中には、明の様なデビルマンもいます。
牧村家に自警団が乗り込んできて、デーモンを出さないと全員殺すと言い出しました。
明は自分がデーモンだと言って身をささげ、連れていかれ銃殺刑にされますが死にません。
近所の通報で再び牧村家に自警団がやって来て、牧村夫妻は殺され、美樹は2階で首を切り取られ殺されます。
牧村家に帰ってきた明でしたが、殺された牧村夫妻を見つけ、2階では美樹の首を見つけました。
明は美樹の首を持って教会へ行き、祭壇に美紀の首を置き、泣きます。
教会に了がやって来て、自分がデーモンのサタンだとあかし変身しました。
明もデビルマンに変身し、二人の最終決戦が始まりました。
無数のデーモンを従えるサタンにデビルマンが挑んでいきます。
死闘の末、人間の姿に戻った二人は海岸にありました。
明の体は下半身がありませんでした。
了が「オレもすぐ行くから待ってろよ」と言うと、明は微かに笑い眠りにつきました。
「デビルマン」実写キャスト・スタッフ調べてみた
監督 那須博之
脚本 那須真知子
- 不動明 伊崎央登
- 飛鳥了 伊崎右典
- 牧村美樹 酒井彩名
- 牧村啓介 宇崎竜童
- 牧村恵美 阿木燿子
- シレーヌ 冨永愛
- 川本巳依子(ミーコ) 渋谷飛鳥
- ススム 染谷将太
- ニュースキャスター モリソン ボブ・サップ
- ジンメン 船木誠勝
- 中学校の先生 布川敏和
- アジトのデーモン KONISHIKI
- 隣家の中年女 小林幸子
- 神父 永井豪
- 車椅子の男 的場浩司
監督の那須博之と脚本の那須真知子はご夫婦で、お二人は「ビーバップハイスクール」シリーズの監督と脚本家です。
他にも有名作品を手掛けていました。
主人公不動明役の伊崎央登(いざきひさと)と飛鳥了役の伊崎右典(いざきゆうすけ)は双子の兄弟。
伊崎右典は兄で伊崎央登が弟です。
二人で2000年に開催された「第13回ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」お二人とも受賞しました。
伊崎右典は見事グランプリを受賞、伊崎央登も審査員特別賞を受賞しました。
ヒロイン牧村美樹役の酒井彩名は1996年の「第21回ホリプロタレントスカウトキャラバン・ピュアガールオーディション」で審査員特別賞を受賞し芸能界入りしてます。
他にも名だたる大物俳優・歌手・モデル・格闘家などが出演していました。
「デビルマン」実写は何故酷いと言われたのか⁈
デビルマン実写版は漫画原作に近い内容だったのではないでしょうか?
監督・脚本家も実績のある方でした。
主演も若手のホープだった様に思います。
そして、大物俳優・歌手・モデル・格闘家などの名だたる出演陣でした。
にもかかわらず、なぜデビルマン実写は不評に終わってしまったのでしょうか?
デビルマン実写版の評価を調べてみました。
デビルマン実写感想見てみた
〇 主演の伊崎兄弟やメインキャストに演技経験が皆無か乏しいタレントが大量に起用されその様子は「学芸会」と評されました。
〇 原作を短い上映時間に詰め込んだ結果、原作の肝心なところが映画で意味不明になってしまい、また、物語の進行上で重要な場面の大半がカットされていました。
〇 小林幸子やボブ・サップ、小錦などの有名人のカメオ出演に全く意味がなく、原作の緊張感を壊す結果になってしまいました。
〇 映画評論家の前田有一は本作品を「ポスターだけはいい映画」として100点満点中2点と評してます。
〇 コラムニストの唐沢俊一もこの作品を「事故」にたとえ、野次馬気分で見に行く映画であると指摘しました。
〇 第14回東京スポーツ映画大賞で審査委員長の北野武はこう述べられました。 映画「デビルマン」は「みんな〜やってるか!」「シベリア超特急」「北京原人 Who are you?」に続く映画史に残る四大おバカ映画。
〇 その他にも各新聞・各種の映画サイトで酷評が寄せられます。 最低映画を決定する「文春きいちご賞」(週刊文春主催)の2004年度で1位を獲得、同趣旨の第1回「蛇いちご賞」(スポーツ報知)でも作品賞に選ばれた。
デビルマン実写なぜ失敗したのか?
映画を観られた方の感想で、主演を含めたメインキャスト陣の演技が酷すぎました。
新人とはいえ、世界中の方が読まれている大作にあの演技はいかがなものか?
監督を含むスタッフは演技指導はどの様に行っていたのか疑問に思われます。
所々でスケールも小さくなり、なぜ田んぼで人間狩りのシーンなのか…
脚本は原作に近づけようとしているのでしょうが、デビルマンの物語を116分の映画に収めようとするのは無理だったようでした。
結果、肝心なシーンをカットしています。
シレーヌとの戦いはCGを使ってよくできていたと思いますが、原作は単行本一冊を使った壮絶なバトルとドラマがあったので物足りなく感じました。
関連オススメ記事: https://ohnuma-chayako.jp/devilman-final-episode/
まとめ
デビルマン実写が酷い?俳優・キャストは誰?映画の評価を検証してみました。
監督、脚本家は「ビーバップハイスクール」を手掛けた那須博之と那須真知子夫妻です。
主演俳優は若手注目株の伊崎央登・伊崎右典の双子の兄弟。
伊崎兄弟やメインキャストが演技ができず、不評に終わってしまいました。
それを指導出来なかった監督をはじめとしたスタッフにも問題ありです。
そもそも、演技経験の乏しい俳優をなぜ抜擢したのでしょうか?
素晴らしいCGを駆使した作品なのにスケールが小さい。
何よりもスケールの大きい原作を116分の映画に収めようとしているのが無理なのではないでしょうか?
そのため、原作の重要なシーンがカットされていました。
結果、映画の評価は酷い事になります。
多くの方が期待をしていただけに、本当に残念でなりません。
一ファンとして、この映画の反省を生かして再び「デビルマン実写版」が制作される事を望みます。